一層のこと、もっとどんどんハンコを作るとか

しばらく前から、なにかと印鑑の話題が盛り上がる。



これだけDX(デジタルトランスフォーメーション)だ電子政府だと言っているときに「紙の書類に押印」が必須というのは、コメントの余地がないくらいおかしいと思うわけだが、そうこうしているうちに、こんなものまで出てきて、最初は虚構新聞かと思ったが本当だったようで、もはやコントのようになってきた。



あまり「政治家がわるい!」とか「変われない日本はだめだ!」とか言うのも性に合わないので黙っているうちに、「昔、ナンシー関という消しゴム版画家がいたな。似顔絵用のAIを使って、ああいうハンコを個人が簡単につくり、プリクラを交換してたような感じで、友達と会ったら押印しあうとか流行らないかな? 印鑑業界もそちらにビジネスがあれば、今のビジネスにこだわらないかも知れないし。」と思ったので、とりあえず自分で作ってみた。


やってみたことを簡単に書くと、

  1. 自分の写真を「けしはん道場」というスマホアプリでイラスト化(最初の図:30秒くらいでできる)
  2. 上記のイラストをアウトライン化(ビットマップデータからベクトルデータに変換。Adobe Illustratorで30秒くらいでできる)
  3. データを取り込んでちょっと加工して、ハンコの3Dデータを作成(2番目の図:Fusion 360を利用。ここは僕の作業がノロいので30分くらいかかる)
  4. データを3Dプリンタに取り込んで印刷(QIDI X-one2を利用して、印刷には50分かかった。
  5. できあがり(最後の図)

という手順である。(最後の図でわかる通り、3Dプリンタ初心者なので微調整をしておらず、出来はだいぶ悪い)


出来が悪いのに偉そうなことを言うのもなんだけれど、全工程を自動化するのも無理ではなさそうで、3Dプリンタの材料費も大したことないから「写真を送ったら3日でハンコを送ってくれる」というのが、量産なら販売価格1000円未満で行けないかな(かなり適当)。


無責任に「印鑑業界にこういうベンチャーがあらわれて業界がディスラプトされ、代わりにハンコが大ヒットとかしないかなぁ。今の印鑑業界に若者がはいればできるかも。気に入ったやつを高級印鑑にして高く売れば昔からの人たちも潤うでしょ。」などとつらつら考えてたら、デジタル法案の話も、あまり腹がたたなくならないですかね 笑。

T. Kamba (神場知成)

人間・機械融合系コミュニケーションシステムのデザインに興味を持つ。コンピュータ・サイエンス分野で、メーカー系研究所の研究員を経て、現在は東洋大学 情報連携学部 教授。専門はユーザ・エクスペリエンス・デザインなど。 趣味は音楽全般。特に自分でも演奏するピアノを中心にジャズ、クラシック。ジャズはミシェル・ペトルチアーニ、ビル・エヴァンス等。クラシックはバッハ、フィリップ・グラス、ブラームス、グレン・グールドなど。

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