Fintechについて思うところ

僕自身はITの専門家ではあるけれど、金融・決済等について詳しいわけではないので、どこまで当たっているかわからないが、思うところを簡単にメモ。

ITについて、人間間もコンピュータ間も、そして最近のIoTの流れの中では、モノ間も、コミュニケションのコスト、時間が大幅に短縮されるというのが本質。そこに、コンピュータによる定式化されたプロトコルが持ち込まれることで、従来考えられなかった処理が可能になり、ビジネスそのものが変質する。

金融ビジネスは、そもそも高度にIT化されたビジネスではあったのだけれど、やはりその中に、これまでの業界の伝統、因習のために制約を受けたり人間が処理していた部分があったので、そこをIT化するFintechの影響は大きいだろう。

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Bitcoinを代表とするブロックチェーン的なものによって、これまで「信用」を与えるために運営機関の信用だとか、必ずしも論理的に定義されていない部分で決まっていたのが、分散的に担保されるようになる。これにより決済システムが大きく変わる可能性がある、とか、

たとえばSquareのようなものは、クレジットカード会社等が与信をするのに手がかりにしていた情報よりも、もっとさまざまな情報を手がかりに与信をすることができるので(クレカ端末自体をスマホ等にするので、そのGPSから取得できる位置情報なども手がかりにしたり)、個人商店など、これまでよりも圧倒的に多くの人が簡単にクレカを導入できたり。

いずれにせよ、金融機関のコアコンピタンスが、広い意味で、与信をする能力にあるとすれば、そこが高度にIT化されることの意味は大きい。広告事業が、以前は人間関係で行われていたビジネスだったのに対し、今は高度なIT事業になった。それによって、たとえばDSP、SSPなどさまざまな事業形態が出てきた(http://dmlab.jp/adtech/dsp.html 参照)。

それに倣えば、金融事業においても、与信に特化して、「ある特定のアクセス」に対して、そこでお金を払おうとしている人、受け取ろうとしている人、それぞれの与信数値をデジタル化して瞬時に返すことに特化したようなビジネス形態が出てきても、不思議はない。広告で言えば、DMP(http://matome.naver.jp/odai/2136516923828199801)のような事業形態。

などなど考えていると、Fintechの影響がどこまで広がるか、まだまだ予想がつかない。

T. Kamba (神場知成)

人間・機械融合系コミュニケーションシステムのデザインに興味を持つ。コンピュータ・サイエンス分野で、メーカー系研究所の研究員を経て、現在は東洋大学 情報連携学部 教授。専門はユーザ・エクスペリエンス・デザインなど。 趣味は音楽全般。特に自分でも演奏するピアノを中心にジャズ、クラシック。ジャズはミシェル・ペトルチアーニ、ビル・エヴァンス等。クラシックはバッハ、フィリップ・グラス、ブラームス、グレン・グールドなど。

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